2023年5月16日に三井住友フィナンシャルグループは、東アフリカ原油パイプライン事業(EACOP)に現在関与していないと表明しました。
EACOPはウガンダとタンザニアにおいて建設予定のパイプライン事業で、完成すれば人類史上最長の加熱式パイプライン事業となります。この事業の建設用地の取得のために、すでに現地では大規模な土地収奪が行われ、事業に反対する活動家に対して暴力がふるわれてきました。
三井住友銀行(三井住友FG傘下)は、財務アドバイザー(資金集め役)という特に重要な役割をEACOP事業にて担ってきました。
そのため私たち気候正義プロジェクトと世界の人々は、世界各地で三井住友銀行に対して抗議をしてきました。2023年2月22日に私たちは、三井住友銀行の本社がある東京と主要な国内支社のある名古屋や仙台、海外支店のあるパリやブリュッセルを含む世界17都市で一斉に抗議の声をあげてきました。ウガンダやタンザニアの人々の闘いが、世界各地に広がったのです。
このような世界の人々の抗議により、三井住友フィナンシャルグループはEACOPへの不関与を表明せざるを得ない状況に追い込まれたのだといえます。
ますます日本企業が国境を越えて加害を行うなかで、気候運動の側も国境を越えて結びつき、加害企業に対抗することで変化を起こせることが示されました。

三井住友銀行・名古屋支店前(2023年2月22日)

三井住友銀行・ブリュッセル支店前(ベルギー・2023年2月22日)
しかし三井住友フィナンシャルグループの「現在はEACOPに関与していない」という発言はとても曖昧で説明として不十分です。なぜなら、すでに引き起こされてきた被害についてや、今後EACOPに関与するのかについて一切明らかにしていないからです。
6月に株主総会を控える三井住友フィナンシャルグループは、これで幕引きを図ろうというのでしょうか。
私たちは三井住友フィナンシャルグループに、「今後一切EACOPに関与しない」ことを求めます。
■次のターゲットは三菱UFJ銀行
今回、三井住友フィナンシャルグループがEACOPへの不関与を表明したので、日本の三大銀行のなかでは三菱UFJ銀行のみが、EACOPに参画するかどうか立場を明確にしていない銀行となります。
昨年11月にエジプトで開催された気候変動対策を議論する国際会議であるCOP27には、三菱UFJフィナンシャル・グループの役員が出席していました。そこで私たちは、ウガンダやタンザニアの活動家と協力し、三菱UFJフィナンシャル・グループの役員に、EACOPに参加しないことを求めました。
映像クレジット:Record 1.5
しかしウガンダとタンザニアの活動家を前に、役員は「私はCEOじゃないから(事業について)知らない」と言い放ち、その場から立ち去っていきました。
今後、三菱UFJフィナンシャルグループとその傘下にある三菱UFJ銀行に対して、「EACOPに融資しない」ことを求めます。
■#StopEACOP抗議アクション決定!
今週、金曜日(5月16日)から、EACOPを完全中止に追い込むために、日本各地で三菱UFJ銀行の本店・支店前にて抗議アクションを開始します。毎週金曜日に開催予定なので、参加したい人や自分の地域で抗議を行いたい人は、ぜひ連絡をください。
今後のアクションの予定
- 5月19日
- 5月26日
- 6月2日
- 6月9日
- 6月16日
- 6月23日
■メンバー募集中!
私たちは2021年春に、Fridays For Future Japanに発足した「マイノリティから考える気候正義プロジェクト」です。結成以来、アジアやアフリカの各地で加害を行う日本企業に対して、被害を受けるアジアやアフリカの人々と連携し抗議を行っています。
気候正義プロジェクトでは、気候正義運動を一緒に進める仲間を募集しています!